おはようございます。本日もN1306スタンダードオートクレーブ滅菌器試運転結果よりご報告いたします。
物理的インジケータは滅菌完了。蒸気浸透性試験ボウィーディックテスト、管腔器材蒸気浸透性試験 ヘリックスともに合格しております。
この結果を持ちまして、本日の滅菌器の使用が許可されることになります。
本日は7回滅菌器が稼働しました。各回ごとの物理的インジケータ結果です。全て滅菌が完了しております。
ガイドラインによれば、毎回物理的インジケータを同封するのが理想的ですが培養時間がかかる事もあり、現在では代用として蒸気浸透性試験ヘリックスを同封するのが望ましいとされております。当医院ではガイドラインに準じまして毎回ごとに蒸気浸透性試験ヘリックスを同封しております。以下結果です。全てに蒸気が浸透していることが証明されております。
本日は10名の患者様が来院されました。当院では患者様に安心して診療を受けていただくために診療の前に患者様の目の前で患者様ごとに個別包装した器具を開封し内部のインジケータ(試験紙)の色を確認頂いております。このインジケータによる滅菌の確認は世界共通です。全世界の人がこの結果を見れば滅菌されたものと認識します。
10時間後の生物学的インジケータ結果です。コントロールはPositive、滅菌したものはNegativeをしめしております。
唯一滅菌を保証できるのは実際の細菌を使用した検査、つまり生物学的インジケータの結果のみです。ただし、先程も申し上げましたように、物理的インジケータを毎回同封する事は理想的ではありますが臨床的に難しい側面があります。
そのためガイドラインでは、物理的インジケータの結果と、化学的インジケータの結果、そして生物学的インジケータの結果の3つの結果を持って滅菌を保証するとされています。
当医院ではガイドラインに準じて滅菌管理を行っております。
今日のトピックス
中央材料部門の室内環境と滅菌物の保管場所・保管環境
病院内を全部、清潔区域にすることは、理想的ではありますが実際には不経済です。このため、病院内材料部回収:受付、作業エリア、滅菌エリア、滅菌物保管エリアを清浄度によって区域分けし、滅菌物に空中浮遊菌、落下金が付着することを防止します。また、それぞれのグレードに応じた空調・換気を検討することが必要です。中央滅菌材料室は環境微生物を防御する必要があります。作業内容の目的に応じて必要とする清浄度を段階的にゾーニングします。
回収(返却)室は、仕分けスペース、洗浄室などが含まれます。返却室は、手術室・病棟・外来より返却された医療機器を次のエリアに送り込むエリアで受付カウンターと返却用スペースで構成されます。患者に使用した血液・体液に触れた、もしくは触れたおそれのあるものは全て汚染されたものとみなします。仕分けスペースは、回収した医療機器を洗浄方法別に仕分けるスペースです。洗浄室は、作業用シンク、洗浄装置などを設置します。作業の流れに合わせて設置して十分なスペースが必要です。
ご参考まで。
イリタニオフィス滅菌管理研究会